Q & A
パートナーズプロジェクトでは、法律・税務・社会保険に関して、日常よく出くわす身近な問題を中心にQ&A形式でわかりやすく解説しています。
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2025.5 年収103万円の壁の見直しについて
年収103万円の壁の見直しがされると聞きましたがいつからでしょうか?
年収103万円の壁の見直しは2025年4月から施行されます。
1. 趣旨・背景
① 趣旨
物価が上昇する中で、税負担を見直し、特に大学生などの扶養に関する新たな控除(特定親族特別控除)を設けることで、就業の促進を目指します。
② 背景
基礎控除の引き上げ:
基礎控除額が一定であることで、物価上昇により実質的な税負担が増加する問題がありました。
給与所得控除の引き上げ:
給与所得控除は賃金の上昇に応じて増えるものの、低所得者の場合には控除額が固定されており、実質的な税負担が増えていました。
特定親族特別控除の創設:
大学生などのアルバイトを支援するため、大学生を扶養する親に対する控除が改正されます。
2.内容
① 概要
所得税がかからない給与収入の上限が103万円から123万円に引き上げられ、課税最低限が改正されます。
大学生を扶養する親は、子どもの年収が103万円を越えても、段階的に控除を受けることが可能になります。
② 詳細
基礎控除が58万円に引き上げ。
給与所得控除の最低保障額が65万円に引き上げ。
扶養控除やひとり親控除もそれぞれ引き上げられます。
特定親族特別控除では、親族の収入に応じた控除が段階的に適用されます。
3.特定親族特別控除の創設
19歳以上23歳未満の子どもを扶養する場合、親の所得から63万円を控除。
新たに創設される特定親族特別控除では、親族の総所得が一定額の範囲内に応じて段階的に控除額が変わります。
4.適用時期
この改正は2025年度分の所得税から適用されます。
5.実務のポイント
特定親族特別控除は2025年の年末調整から適用され、給与や公的年金からの源泉徴収に使用されます。
6.今後の注目点
今後も税制に関する議論や改正が行われる可能性があり、関連する法案の進捗に注意が必要です。
これらの改正は、納税者の負担を軽減し、働き手を支援する狙いがあります。政府による税制の改善により、特に大学生の就業促進と、親世代の経済的負担の軽減が期待されています。