Q & A
パートナーズプロジェクトでは、法律・税務・社会保険に関して、日常よく出くわす身近な問題を中心にQ&A形式でわかりやすく解説しています。
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2025.6 手形・小切手廃止の流れ
2026年度末に、手形・小切手が廃止されると聞きました。巷には、沢山の情報が出されていますが、具体的には、どういう手順で、進められていくのでしょうか。商取引は、今後、どうすればよいのでしょうか。
手形・小切手の廃止は、以下のスケジュールで進められます。
① 2025年9月末 発行受付終了。
② 2025年12月末 発行停止。
③ 2026年9月末 最終振出期限。
④ 2027年3月末 利用廃止。全銀協が手形・小切手の決済システムとしていた電子交換所が4月で終了。
経済産業省は、約束手形の利用の廃止、小切手の電子化を決定しています。電子記録債権は、引き続き利用可能です。金融機関は、このスケジュールに基づいて、紙の手形や小切手の取り扱いを順次終了しますので、電子化への移行に呼応して、電子記録債権(でんさい)やインターネットバンキングへの移行が促進されます。業者間、金融機関等と相談して、早期に移行対応していかなければなりません。
日本において鎌倉時代の割符から始まり、江戸時代の米市場で、大阪を中心に「米手形」で決済する習慣が出来上がって行きました。中世の地中海沿岸では、両替商が送金方法として証書(手形)を普及させました。
また、小切手は、南アフリカ共和国のスタンダード銀行が発行した小切手が最初だと言われ、携行に便利で防犯に資するほか、勘定の手間が省け、経理上も銀行に記録が残るなどの利点がありました。
しかし、長年、手形等の取引量とともに取立などのコストが嵩み、元請け、下請け関係では、資金繰りの負担となっていました。手形等は、下請け側の長期的安定的な取引の維持を考慮してきた面もありますが、事務処理の簡素化やコスト削減による生産性の向上を図るため、手形等の廃止が、現実的となりました。手形の残高は、この十数年間、20兆円台で推移しており、手形・小切手の交換高は、2024年に75兆177億円だったのが、ピーク時の1990年の1.5%まで減っております。
政府は、決済経理のデジタル化を進め、競争力強化につなげたい考えがあります。
中小企業庁では、2024年11月以後、下請法の運用が変更され、サイトが60日を超える約束手形や電子記録債権の交付、一括決済方式への加入は下請業者の自由な意思によること並びに親事業者、下請け事業者、金融機関の三者契約によることを徹底すること、代金の支払いをできる限り現金によるものとすること、としていました。