Q & A
パートナーズプロジェクトでは、法律・税務・社会保険に関して、日常よく出くわす身近な問題を中心にQ&A形式でわかりやすく解説しています。
ぜひ日頃の経営問題の解決にお役立て下さい。
2024.07 機能性表示食品制度の見直し
「おなかの調子を整えます」「血圧を下げます」「脂肪の吸収を抑えます」など食品の機能性を表示することができる食品には、どのようなものがありますか?
食品の機能性を表示することができる食品として、食品表示基準(食品表示法第4条)には、⑴特定保健用食品、⑵機能性表示食品、⑶栄養機能食品の3種類が記載されています。
1 機能性表示食品と、特定保健用食品・栄養機能食品との違い
⑴ 「特定保健用食品」(2条1項9号)
トクホと呼ばれるもので。表示されている効果や安全性について国が審査を行い、消費者庁長官が許可したものです。
⑵ 「機能性表示食品」(2条1項10号)
事業者の責任において、機能性を表示した食品です。消費者庁長官への届出は求められますが、許可を受ける必要はないため、事業者任せの表示です。
⑶ 「栄養機能食品」(2条1項11号)
科学的根拠が確認された栄養成分(ビタミン・ミネラルなど)を一定量以上含む食品であり、届出不要とされています。
2 機能性表示食品制度の見直し
紅麹関連製品による健康被害の発生を受けて、5月27日に消費者庁主導で報告書がとりまとめられ、5月31日の関係閣僚会合において今後の対応方針がとりまとめられました。
① 事業者は、医師の診断により健康被害が疑われる情報を把握した場合、消費者庁長官等に情報提供すること
② 事業者は、適正製造規範(いわゆるGMP)に基づいて製造・管理をすること
など。
もっとも、事業者主導での情報の収集・提供や、製造・管理に依存する点に対しては批判があります。昨年6月30日には、中性脂肪や血圧の低下などの効果を謳った機能性表示食品「きなり」について、科学的根拠がないとして、景品表示法に基づく措置命令(優良誤認表示)が下されました。未だ、紅麹と健康被害との因果関係の実験・検証が終了していない中で、機能性表示食品制度の今後について注目していく必要がありそうです。