Q & A
パートナーズプロジェクトでは、法律・税務・社会保険に関して、日常よく出くわす身近な問題を中心にQ&A形式でわかりやすく解説しています。
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2023.07 インボイス不要となる「少額特例」とは?
今年(2023年)の10月1日から始まるインボイス制度にきちんと対応できるか不安です。
インボイス不要となる「少額特例」があると聞いたのですが、どのようなものなのですか?
少額特例とは、「6年間に限り、一定規模以下の事業者が行う少額(税込1万円未満)の課税仕入れについては、インボイスの保存がなくとも仕入税額控除が可能になる」というものです。
この特例の適用期間は、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの6年間です。
適用対象となる「一定規模以下の事業者」とは、
・基準期間(個人:前々年、法人:前々事業年度)の課税売上高が1億円以下
または
・特定期間(個人:前年1~6月、法人:前事業年度の開始の日以後6か月)の課税売上高が5千万円以下
である事業者になります。
少額特例では、上記の期間で対象となる事業者が行う少額(税込1万円未満)の課税仕入れについては、インボイスの保存が不要となり、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除が可能となります。
ここで、「税込1万円未満の課税仕入れ」に該当するか否かの判定においてご注意いただきたいポイントがございます。
税込1万円未満の判定は、『一回の取引』の課税仕入れに係る金額(税込)を基準として判定することになります。
※一商品ごとの金額で判定するのではありませんのでご注意ください。
例:
Q,6,000円の商品と7,000円の商品(合計額13,000円)を同時に購入しましたが、特例の対象になりますか?
A,この場合、合計額13,000円の取引となりますので、特例の対象外です。
Q,月額10万円で清掃業務を委託しています(稼働日15日)
稼働日数で按分すると1万円未満の取引になるので、特例の対象になりますか?
A, 通常、役務の提供は契約した役務の取引金額となります。
この場合は月単位での取引(10万円の取引)と考えられ、特例の対象外です。
なお、この特例はインボイス発行事業者の交付義務が免除されるものでは無いため、インボイス発行事業者は課税事業者からインボイスの交付依頼があった場合には交付する必要があります。
詳しくは税理士にお尋ねください。