Q & A
パートナーズプロジェクトでは、法律・税務・社会保険に関して、日常よく出くわす身近な問題を中心にQ&A形式でわかりやすく解説しています。
ぜひ日頃の経営問題の解決にお役立て下さい。
2017.05 自筆の遺言書を見つけたら
先月亡くなった父の遺品を整理していたら、「遺言書」と書かれた封筒が出てきました。封筒の裏に亡くなった父の署名があり、糊付けして封をした部分に父の印鑑が押してありました。
1.この遺言書をその場で直ぐに開けて、内容を確認してもいいですか?
2.これから相続の手続きをする予定ですが、父の遺言書はこのまま金融機関に提出すれば、相続の手続きが出来ますか?
1.発見した遺言書が封をされていた場合、相続人であっても勝手に開封することは出来ません。封印された遺言書は、家庭裁判所へ『遺言書の検認』の申し立てを行い、相続人らの立ち会いのもと開封しなければならないことになっています。
2.遺言書をもとに相続の手続きを行う場合、金融機関より、公正証書として作成された遺言書もしくは家庭裁判所で検認済の遺言書の提出を求められます。
今回の場合、家庭裁判所で『遺言書の検認』を申し立て、検認において遺言書の内容を確認し、遺言書に『検認済証明書』を付与されてから、金融機関で相続の手続きを行なって下さい。
1.家庭裁判所の『遺言書の検認』手続きとは、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造・変造を防止するための手続きです。
封印された遺言書については、亡くなられた方の最終住所地にある家庭裁判所へ遺言書を提出して『遺言書の検認』を申し立て、相続人らの立ち会いのもと開封することになります。
なお、遺言書の検認の前に封印のある遺言書を開封した場合、5万円以下の過料に処される場合があります。
2.家庭裁判所で『遺言書の検認』を受けると、遺言書に『検認済証明書』が付与されます。遺言書をもとにして、不動産の登記や金融機関で相続の手続きを行う場合、『検認済証明書』が遺言書に付いている必要があります。
なお、家庭裁判所での遺言書の検認手続きは、遺言書の偽造や変造を防止する為の手続きであり、その手続きで遺言の有効性・無効を判断するものではありません。