Q & A
パートナーズプロジェクトでは、法律・税務・社会保険に関して、日常よく出くわす身近な問題を中心にQ&A形式でわかりやすく解説しています。
ぜひ日頃の経営問題の解決にお役立て下さい。
2016.08 会社の合併による社会保険等の注意点
当社では複数の法人によるグループ経営を行っています。
この度、グループ内の法人を合併し、一つの法人とすることになりました。合併の手続きを進めるにあたり、社会保険等で注意すべき点はありますか。
社会保険・労働保険ともにいくつか注意すべき点があります。
1.健康保険の場合
合併により所属が変わる方については、旧会社での資格喪失手続き、新会社での資格取得手続きが必要となります。
なお、合併前後がともに協会けんぽに加入する場合であれば問題ありませんが、別の組合健保に加入している場合には調整が必要となります。
また、扶養家族がいらっしゃる場合には漏れがないようご注意ください。
2.厚生年金の場合
健康保険と同様、合併により所属が変わる方については、旧会社での資格喪失手続き、新会社での資格取得手続きが必要となります。
厚生年金では第3号被保険者の手続きを忘れないようご注意ください。
3.労災保険の場合
労災保険は事業内容によって保険料率が変わります。似たような事業内容の法人の合併であれば保険料率はそのままですが、業態の異なる法人の合併の場合には、保険料率が変わる場合があります。
なお、損害保険等で労災保険の上乗せ給付を行っていたような場合には、継続加入が必要となりますので、合併前に確認を行う必要があります。
4.雇用保険の場合
合併により所属が変わる方については、旧会社での資格喪失手続き、新会社での資格取得手続きが必要となりますが、雇用保険の資格取得は、資格喪失手続きが終わっていないとできませんので、資格喪失手続きの漏れがないようご注意ください。
最終的に、健康保険・厚生年金については適用事業所全喪届を提出して保険関係を終了させます。また、労災保険・雇用保険については確定精算を行った上で、雇用保険適用事業所廃止届を提出します。
なお、個々の会社の状況や、合併手続きの進め方によっても必要な手続きが異なる場合がありますので、詳細については社会保険労務士にご相談ください。