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AI時代に経営者が知るべきデザイン思考

AI時代に経営者が知るべきデザイン思考

株式会社ネオス代表取締役会長 山本敦

AIの進化は驚くべきスピードで進み、私たちの業務や生活を大きく変えつつあります。自動化や効率化が進む一方で、経営者にとって重要なのは「人にしかできない価値」をどう生み出すかです。その鍵となるのが「デザイン思考」です。

デザイン思考とは、単なる見た目を整えることではなく、「人の体験を中心に置き、課題を新しい角度から捉え、解決策を創造する思考法」です。AIが情報処理を得意とする時代だからこそ、人の感性や共感力を起点に考えることが差別化の源泉になります。

例えば、新製品を開発する際に「どう作るか」ではなく「誰の、どんな不満や期待を解決するか」から始める。社内改革においても、システム導入の効率性だけでなく「社員が心地よく使える体験」をデザインする。こうした視点が組織全体の納得感や顧客満足を生み、結果として競争力につながります。AIは膨大なデータから最適解を提示しますが、どう魅力的に伝えるかは人間にしかできません。デザイン思考は、経営理念を社員に浸透させ、ブランドを顧客に届けるための翻訳機能でもあるのです。AI時代の経営は、効率とともに「共感」をいかに経営に組み込むかが試されます。経営者自身がデザイン思考を理解し、意思決定に活かすことが、これからの企業の未来を左右すると言えるでしょう。

プロフィール

山本 敦

山本 敦YAMAMOTO Atsushi

  • 株式会社ネオス 代表取締役会長