大企業を中心に、ホワイトカラーの仕事の生産性向上のため、また、近年の人材不足の状況を受け、主に人間がパソコンを使って行っていた事務処理を、ソフトウェアロボット「ＲＰＡ（Robotic Process Automation）」に処理してもらう企業が増えてきている。

　24時間働いてくれ、残業という概念もないデジタルレイバー（仮想知的労働者）として、社員番号を与えている企業もあるそうである。

しかしながら、今、人間が行っているすべての業務をＲＰＡが覚え、実行できるわけではない。

自分で考え判断することができるＡＩ（人工知能）と違い、ＲＰＡは、あくまで人間の指示に従って、一定のルールのもとに作業を正確に実施してくれるアシスタント役に過ぎない。

このことから、人間は仕事が奪われるのではなく、より、人間にしかできない高度な判断、人と人とのコミュニケーションが必要な業務へと、仕事の内容がシフトしていく転換期を迎えている。

いまこそ、これまでの仕事の取り組み方・流れを把握した上で、よりよい方法へと見直すことが、真の働き方改革への第一歩となっていくのではないだろうか。

プロフィール

野口　英理NOGUCHI Hidetoshi

• ㈱経営ブレインサポートセンター
• 税理士法人　経営ブレイン　副所長
• 税理士