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働き方改革の副作用

働き方改革の副作用

社会保険労務士 髙野裕久

 働き方改革関連法が2019年4月1日から順次施行されてから約4年半が経過し、以前よりも経営者の方々の残業時間や休み方に関する考え方が変わってきたと感じております。一方働き方改革に一生懸命取り組み、俗に言うホワイト企業であろうとした結果、若手社員の中で、仕事に対するやりがいを失い転職をしていく社員が増えているという現実があります。働き方改革が進むにつれ「働きやすい」会社が増えてきてはいますが、その中で「働きがい」がある会社であるかどうかは別の話になってしまいます。定時で帰ってもらうために会社側も若手社員には負荷の高い仕事を割り当てるのを躊躇したり、なるべくルーティン化してある作業を任せるようにしてしまったりする事があるかと思います。その結果、キャリア志向の高い社員にとっては物足りないと感じてしまう事があり、転職へ繋がってしまうのです。ホワイト企業であることは企業努力の賜物ですから決して悪いことではありません。ただ、社員を一律に管理するのではなく一人一人の成長意欲を見極め、本人の成長意欲に合わせて環境を整えてあげることが必要になってくると思います。多様化の時代に誰もが働きやすく、働きがいのある会社、それこそが今後求められる企業なのかもしれません。

プロフィール

髙野 裕久

髙野 裕久TAKANO Hirohisa

  • 社会保険労務士