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事業承継の本質

事業承継の本質

中小企業診断士 土田 正憲

後継者育成は事業承継の中心に位置づけられます。

中小機構の調査によると、後継者が先代から事業を引継いだ時に苦労した点として、「経営力の発揮」「取引先との関係維持」「一般従業員の支持や理解」「金融機関との関係維持」という回答が多くを占めています。
事業承継は「自社株」の引継ぎと思われがちですが、実は、経営力や、顧客や従業員などとの関係、経営者の信用というような「目に見えにくい経営資源」の引継ぎが本質なのです。後継者育成は「目に見えにくい経営資源」の引継ぎを円滑にするための有効な方策です。

後継者は自社のことを徹底的に知る必要があります。社長は決断する人、会社を変革していく人です。この役割を担うには経営に関する知識が必要です。加えて、自社の経営理念や歴史、大切にしてきたこと、顧客、従業員、競合、業界動向などを知ることも必要です。

これらを知ることで、経営の知識を自社のことに置き換えて知恵として活かせるようになり、「守るべきこと」と「変えるべきこと」を踏まえた上での変革や決断ができるようになるのです。

プロフィール

土田 正憲

土田 正憲TSUCHIDA Masanori

  • 中小企業診断士