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「相続等した土地を手放せる?」

「相続等した土地を手放せる?」

司法書士 小林智子

相続又は遺贈(相続人に対する遺贈)により取得した土地を手放し、国庫に帰属させることができるという、画期的な制度が令和5年4月27日から始まっています。

この制度に関し、新潟地方法務局の担当部署の方のお話を伺う機会があったのですが、ここ新潟においては、令和6年1月末時点で累計800件弱の国庫帰属に関する相談があったそうです。

相続等した土地を手放したいと考える人が少なからず一定数いらっしゃることがこの相談件数から察せられますが、実際には私共のような司法書士に相談したものの、要件を満たさず法務局に相談ないし申請するに至っていない案件も多数あると思われますので、潜在的にはもっと多数の方が相続等を契機として望まず取得してしまった土地に対し負担を感じているのかもしれません。

その一方で、実際の申請は66筆についてなされ、令和6年1月末時点で国庫帰属が承認された土地は6筆、不承認が1筆、申請したものの申請人が自ら取下げたケースが9件あったそうです(その他は継続調査中なのでしょう)。この件数は、なかなか厳しい現実を物語っています。

傾向として、土地を手放したいと考える人の多くは、山林・田畑など多数の土地を所有していて、どこにどの土地があるのか自分でも分からないとか、容易に譲渡ができないような条件や負担、事情を抱えています。そういった場合、国庫帰属の承認要件を満たすことが困難なケースに該当することが殆どです。

この制度によって、予期せず相続等してしまった土地を手放したいとお考えの皆様は、ご自分の土地は承認要件を満たしているのか、まずは是非お近くの司法書士に相談されることをお勧めいたします。

 

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小林 智子

小林 智子KOBAYASHI Tomoko

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