睡眠時間とパフォーマンスの関係
睡眠時間とパフォーマンスの関係はすでにあらゆる研究で科学的に証明されています。
有名な研究の一つに、1990年にイギリスの科学雑誌Natureに掲載されたDawsonの睡眠とパフォーマンスに関する断眠研究というものがあります。
朝8時に起床した人が、深夜3時まで起きていた場合、その時の注意力や集中力などは、血中アルコール濃度が0.05%のときと同程度に低下するというものです。これは、いわゆる酒気帯び運転レベルと同等(日本では0.03%以上で酒気帯び運転)ということになります。
さらに24時間起きていた人では、ビール大瓶1本(血中のアルコール濃度0.1%)を飲んだ後に仕事をしているのと同等という結果が出ています。ということは、徹夜で仕上げた書類が、酒を飲みながら仕事したものと同レベルということになります。仕事における重要な局面においてどうしても仕方がないこともあります。しかし、恒常的に睡眠時間を削って働くことは、パフォーマンスが低下し、労働時間だけが無駄に長くなるのだと理解しなければいけません。
また、睡眠時間を削って働くことは、メンタルヘルス不調の他、心筋梗塞や狭心症、脳卒中などの病気、さらにはがんのリスクも高めるという科学的な根拠もあります。睡眠時間をしっかりとり、効率よく働く。労働生産性を意識した働き方を今ここで考えてみてはいかがでしょうか。
プロフィール
大崎 華子OOSAKI Hanako
- 社会保険労務士
- 精神保健福祉士
- 医療労務コンサルタント
- 社会福祉士
- EAPコンサルタント
- HANAメンタルマネジメント 代表