企業努力
先日ネットニュースで「ポッキー」が立体商標登録されたという記事を目にしました。ポッキーは細長い棒状のプレッツェルにチョコレートをコーティングしたもので誰もが知っている有名なお菓子です。このポッキーは、1966年に誕生し、今年が発売から60周年となる節目の年に当たるそうです。
立体商標とは、商品や役務の出所を示す「標識」としての機能を立体的な形状が持つ場合に登録を認める制度で、商品の形状そのものや容器の形状、キャラクターの形状などが登録対象となり得ますが、立体商標は、形状が持つ独自性や、商品名がなくても形だけで消費者がブランドを認識できるかが重視されるので、特にお菓子などの食品そのものの立体商標については登録のハードルは高いです。ゆえに、ポッキーの形状が立体商標として認められたことは、稀なケースと言えます。このポッキーの立体商標の登録により同一類似形状の菓子を製造販売することは侵害となりますので注意が必要となります。よって、60年という長い月日をかけた企業努力が商標権の保護により日の目を見ることになるのです。ちなみに、立体商標の登録第1号は、ケンタッキーフライドチキンでお馴染みのカーネルサンダース人形です。
皆様の製品で独自な形状の商品はありませんか?
プロフィール

吉井 剛YOSHII Takeshi
- 吉井国際特許事務所 所長
- 弁理士