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■Q&A【法律】
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ここでは、法律・税務・社会保険に関して、日常よく出くわす身近な問題を中心にQ&A形式でわかりやすく解説しています。日頃の経営問題の解決にお役立て下さい。

08/12 法律-81 認知症の人でも遺言をすることはできますか?

 将来の相続に備えて、認知症に近い状態の父が遺言をしたいと言い出しました。
 認知症の高齢者でも遺言をすることができますか?

自分が遺言する時にその遺言が法律的にどのような意味を持つかを理解できる能力(遺言能力)があれば、満15歳に達した人は単独で遺言をすることができます。
解説

1.認知症のために成年後見人が選任されている場合
 成年被後見人であっても、遺言者が事理を弁識する能力を回復している時で、かつ、医師2人以上の立会いがあれば、遺言することができます。(民973条)
 成年後見人の遺言に立ち会った医師は、遺言者が遺言をする時に精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記し、これに署名・押印します。

2.認知症であるが成年後見人が選任されていない場合
 認知症の程度は千差万別であり、遺言能力が認められることもあります。
 もっとも、認知症の患者が遺言をした場合、遺言者の死後に遺言無効確認の訴えを起こされるおそれがあります。
 そこで、認知症の程度が軽い場合であっても、医師の診断書を遺言に添付する、または、医師1人の立会いの下、遺言を作成するのが良いでしょう。
 認知症の程度が重くなった場合には、成年後見人が選任されている場合と同様の手続きで、医師2人の立会いの下で遺言するのが良いでしょう。

3.なお、こうしたケースでは、より確実な遺言をするために公正証書遺言を作成することをお勧めします。
 入院中の患者が遺言する場合には、公証人に病院まで来てもらうこともできます。

※ 成年後見制度
 認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身の回りの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、自分でこれらのことをすることが難しい場合があります。また、自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに、契約を結んでしまい、悪徳商法の被害にあうおそれもあります。成年後見制度とは、このような判断能力の不十分な方々が不利益を被らないように家庭裁判所に申立てをして、その方を援助してくれる人を付けてもらう制度です。

※ 公正証書遺言
 公正証書遺言とは法務大臣から任命された法文書作成のプロである『公証人(こうしょうにん)』が遺言者から遺言の趣旨の口述をもとに遺言書を作成し、その遺言書の原本を公証人が保管するという最も「安全」「確実」な遺言書です。

(平成20年12月掲載)

※本問は掲載時点の法律・法令等に基づいて作成されていますので、その後の改正等に御注意下さい。また、本問を参考に意思決定をする場合は、必ず信頼できる専門家の助言、確認を受けていただくよう、お願い致します。

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